ヨーロッパ旅行の支払い|地下鉄のタッチ決済は都市で違う、現金・チップ・カードの上乗せ

ロンドンは海外発行カードの多くで地下鉄に乗れて1日の上限あり、パリはバスとオルリー空港線から、ウィーンは9駅で1回券を買う形。EUの店のカード上乗せ禁止と例外、500ユーロ札、フランスのサービス料込みの表示とウィーンのチップまで、公式の案内で確かめた払い方です。

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地下鉄のタッチ決済は、都市ごとに違う

ヨーロッパの旅行で払い方に迷いやすいのは交通です。ロンドンは改札にタッチ決済(コンタクトレス)のカードをかざすだけで乗れますが、パリはバスと一部の路線から順に広がっている段階で、メトロの多くはまだ切符か交通系のカードが要ります。ウィーンは試行中の9つの駅で、カードのタッチで1回券を買う形です。

EU の店でのカード払いには、上乗せ手数料の禁止と、円払いを断って現地通貨で払えるという決まりがあります。どちらにも例外や、日本のカードへの扱いが書かれていない部分があります。現金は少額を持ち、チップは国ごとに考え方が違います。

円は2026年10月28日の欧州中央銀行の参考レート(1ユーロ=約176円、1ポンド=約210円)で換算した目安です。

今日のレート 1€ = 175.7円ユーロ⇄円のレート計算と早見表 →

交通のタッチ決済、3都市の今

都市カードのタッチで乗れる範囲料金の目安と注意
ロンドン地下鉄・バスなど。TfL は英国外で発行されたタッチ決済カードの多くが使えると案内1日と1週間(月〜日)の上限あり。2026年の Zone 1-2 は1日8.90ポンド(約1,870円)、1週間44.70ポンド(約9,380円)。ヒースロー・エクスプレスは上限の対象外
パリ2026年6月30日からオルリー空港駅(メトロ14号線、空港から乗るときだけ)、7月8日からモンマルトルのケーブルカー。パリ市内と近郊のバスは2026年8月末までに全車へ付ける予定と案内バス・トラム・ケーブルカーは2.55ユーロ(約450円、通常より0.50ユーロ高い)、メトロ・RER・電車は3.35ユーロ(約590円、0.80ユーロ高い)。オルリー空港から乗るときは14.80ユーロ(約2,600円)。乗り継ぎは含まない
ウィーン2026年5月28日から9駅に置かれた15台の機械で、カードをかざして1回券を買う買えるのは市内中心ゾーンの1回券(1 Fahrt WIEN)と割引版。1回の支払いで5枚まで。検札では使ったカードを見せる

ロンドンは同じカードで乗り降りする

TfL は、乗るときと降りるときに同じカードかスマートフォンを使うよう求めています。別のカードや端末で乗り降りすると、必要より高く払うことになると書いています。財布ごと改札にかざすと、意図しないカードで払われる「カードクラッシュ」が起きることがあるので、使う1枚だけを出します。TfL は海外の発行会社が手数料を取ることがあるとも書いていて、その率はカード会社のページで確かめます。

上限は自動で効くので、1日に何回乗っても Zone 1-2 なら8.90ポンドで止まります。クリスマス当日の運休を含めたロンドンの12月の交通は、ロンドンのクリスマス2026にまとめています。

パリはメトロの多くでまだ切符が要る

フランス政府の行政情報サイト(service-public)が2026年6月19日に出した案内では、銀行カードのタッチで乗れるのはバス、オルリー空港駅から乗る14号線、モンマルトルのケーブルカーが先です。メトロ1号線は2027年7月、4・14・15・18号線は2027年末、7・12号線は2028年末と、路線ごとに順番に広がります。12月の旅行では、メトロとRERは従来どおり切符か交通系のカードで乗る前提で計画します。

カードで払うと、通常の運賃より0.50ユーロか0.80ユーロ高くなり、乗り継ぎも含まれません。バスを何度も乗り継ぐ日は、カード払いが割高になりやすいと考えておきます。パリの12月の催しはパリのクリスマス2026です。

ウィーンは「乗る」ではなく「買う」

ウィーン市の発表では、Tap+Ride と呼ぶ試行(Pilotprojekt)で、改札にかざして乗るのではなく、駅の機械にカードをかざして1回券を買います。置かれているのは中央駅(Südtiroler Platz–Hauptbahnhof)、西駅、マイドリング駅、シュテファンスプラッツ、シュヴェーデンプラッツ、シュピッテラウ、ツィーグラーガッセ、ノイバウガッセ、エルトベルクの9駅です。9月30日の発表では、それまでの約25,000回のタッチのうち約64%がオーストリア国外のカードでした。大晦日の夜の動き方はウィーンの年越しにあります。

店で払うときの2つの決まり

カード払いの上乗せは、EU の店では原則できない

EU の公式案内(Your Europe)は、EU 内の店がクレジットカードやデビットカードの利用に追加の料金を取ることは認められていないと書いています。例外は、アメリカン・エキスプレスやダイナースクラブのカードと、法人カードです。日本で発行されたカードにこの決まりが及ぶかどうかは、この案内には書かれていません。レシートに「surcharge」やカード手数料の行があれば、払う前に店に聞きます。EU を離れたイギリスの扱いは、この案内には書かれていません。

円での支払いを勧められたら、現地通貨を選べる

店の端末やATMで「円で払いますか」と聞かれることがあります。EU の公式案内(Your Europe)は、断って現地通貨で払う権利がいつでもあると書いています。欧州委員会の説明では、その場で通貨を換える事業者は、欧州中央銀行の参考レートに対して何%上乗せしているかを示すことになっています。ただし同じ説明で、この決まりは EU の通貨建ての取引だけが対象で、EU 以外の通貨には及ばないと答えています。円に換える画面に上乗せ率が出るとは限りません。円を選ぶと店側のレートになり、現地通貨を選ぶとカード会社の手数料が乗ります。どちらが安いかの考え方と、カード会社ごとの手数料率は海外で払うと手数料はいくら?で比べています。

現金は、どの札をいくらくらい持つか

ユーロの紙幣は、今のシリーズで5・10・20・50・100・200ユーロの6種類です。500ユーロ札(約88,000円)は発行が止まっていますが、法定通貨のまま使えます。屋台やチップのような少額の払いに困らないよう、両替やATMでは小さい額の札も混ぜておくと使いやすくなります。

欧州中央銀行は、2010年の欧州委員会の勧告を引いて、双方が別の払い方に合意していない限り、店は現金を断れないと説明しています。勧告そのものに拘束力はありません。現金の扱いを法律で定める案は、2026年7月に欧州議会が交渉に入ることを確かめた段階で、まだ成立していません。カードと現金の両方を持って出ます。

クリスマスマーケットの屋台の支払いは、ストラスブール市の案内(リンク先で紹介)のように主催者が書いている会場もあれば、書いていない会場もあります。会場ごとの様子はヨーロッパのクリスマスマーケットです。ユーロの今日のレートはユーロ円の換算で見られます。

チップの前に、会計のサービス料を見る

フランスは1987年3月27日の命令で、サービス料を取る店は表示価格をサービス料を含めた額にし、メニューなどに「サービス料込み(prix service compris)」と率を書くことになっています。この表示の決まりに、チップの話は出てきません。

ウィーン市観光局は、レストランのチップを通常5〜10%としています。会計にすでに含まれている場合は、重ねて払わないようにとも書いています。払う前に、レシートにサービス料の行があるかを見るのが先です。

ドイツとイギリスについては、チップの率を示した観光局や政府の案内を確かめられませんでした。この記事では率を書きません。どちらの国でも、まず会計にサービス料が入っているかを確かめます。

出発前に確かめておくこと

  • タッチ決済のマークがあるカードを2枚以上(1枚が使えなかったときの予備)。どちらも暗証番号を覚えておく
  • カード会社の海外利用の手数料率。旅費の全体はヨーロッパ周遊の費用で見積もる
  • ロンドンでは乗り降りに使う1枚を決め、ほかのカードは財布から分けておく
  • パリのメトロとRER、ウィーンの9駅以外では、切符か交通系のカード、公式アプリを使う前提にする
  • 小さな額のユーロ札と硬貨を少し。屋台やトイレ、チップに使う